発達相談でのやりとり。(前編)〜1歳11ヶ月3週目〜
このブログは、だいたい1〜2週に1回更新しています。
子どもの様子や遊びを紹介しつつ、この年齢ではどんな成長をするのかとか、どんな遊びをすれば子どもの成長にいいのかなどを、何かの参考になればと思って書いてます。
今回は発達的にゆっくりかもと思う方に向けて書いてみました。
やりとりは完全に架空のケースですが、こんなやりとり多かったなーってことを書いてみました。
よければどうぞ。
目次
発達検査の一場面。(検査まで)
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言葉がママ・パパ以外、あんまり出てないお子さん→仮に‘’ハラピ‘’とします:「 」
お子さんの母親:『 』
発達相談員(ワタシ):< >
※上のカッコで実際のやりとりを再現します。
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1歳6ヶ月健診で言葉が出てないお子さんが、後日様子を聞かせてくださいという流れになる。
→1歳10ヶ月頃に保健師さんからの電話で、言葉が出てるかなどの確認。思ったより言葉が出てないことから、2歳前で様子を見せてもらうために発達相談になる。
当日…。
<こんにちはー。よろしくお願いします〜。…あら、こんにちは。>
ワタシはハラピに向けて挨拶するも、母に手が届く距離でその場に立ったまま、ワタシ→母の順番で見る。
『よろしくお願いします。』
<どうぞ〜。>
6畳くらいの部屋に入って、ハラピのお腹くらいの高さの机と椅子が置いてる。
ハラピは部屋を少し見回してから床に座る。母は座った子どもの靴を脱がす。
『そこ座って。』
「………(母の近くから離れようとしない。)」
<そうやんなー。知らん人いるもんなー。怖いよなー。笑。>
母から離れて小さな椅子に座らず、そのまま母の膝の上に座る。
『椅子あんねんから座りよ。』
<いいですよ、いいですよ。お母さんのところが安心しやるんやろうし。>
<今日って、1歳6ヶ月健診で言葉が“あ〜う〜”とかやって、2歳前で様子見せてねーって感じで来てくれはったんですかね?>
『そうです。最近は“ママ”とか“パパ”は言ってくれるようになったんですが、ほかはあんまり言おうとしなくて…』
<そうですかー。でも、“ママ”とか“パパ”っていってくれるならいいじゃないですかー。>
『でも、車とかで遊ぶのにそれも言わないし。あ、でも、アンパンマンは“アンマン”って言うかな…。』
<へぇ〜。いろいろ話そうとはしやるんですね。>
『一応言おうとはしますけど、全然言葉にはならないかな。』
<なるほどねー。ほんなら、今日は発達検査って聞いてると思いますけど、やって様子見せてもらっていいですかね?>
『はい、お願いします。』
<ありがとうございます。ちなみにね、発達検査ってできる・できないも見ますけど、どんなふうにやるかとかを見て、今後言葉が出てきそうかとかも予測てきそうなところは見せてもらいますね。>
『はい。』
<あとね、発達検査って、数値も大事ですけど、平均の数値取るからいいってわけではなくて、みんな得意なところとか苦手なところあって、数値が平均でも苦手さがあって普段の生活で困る方も結構います。なので、そのへんもどんな感じか見たいと思います。また後でお伝えしますね。>
『はい、お願いします。』
発達検査の一場面。(検査)
※発達検査の内容は守秘義務があり、具体的には公表できませんので、1歳6ヶ月健診のときに全員にやることが多い、積み木の課題,図版の課題を発達検査の課題としてやります。
【 積み木の課題 】
<ハラピくん、積み木する?>
ワタシが両手に持ってる10個の積み木をじーっと見る。
「………。」
積み木を見て、少しするとワタシを見る。
<おっけおっけ。じゃー、積み木しよっか。>
ハラピの前に積み木をじゃらじゃらと置く。
<何作る〜?>
ハラピはワタシを見て、積み木を恐る恐る触る。
<うんうん、いいよいいよー。>
ハラピは積み木を1個手にかけながら、母を見る。
ワタシと母を見比べるように見て、そのままの状態が続く。
<じゃー、先生にちょっと貸してなー。…ここ、積み木重ねてくれる?>
ワタシは1個の積み木の上を指差して伝える。
「………。」
『ほら、ハラピ。上に積んでって言ってはるで。』
まだ母とワタシを見ながら止まってる。
<よっしゃ。じゃー、先生やってみるなー。見ててなー。……ほい!(積み木の重ねて、2個重なってる状態)…さ〜、ハラピくんもできるかな〜?!
…はい、どーぞ。>
「……(恐る恐る、見よう見まねで積み木を積む。)」
<うわー、できたやーん♪すごーい!…じゃあ、もう1個、ここに積んでくれる?>
「……(ワタシと母を見る)」
『もう1個、もう1個。そこに積んで。』
「……(恐る恐る、再度積木を積んで、机の上には積木が3つ縦に積まれてる。)」
<すごーい♪じゃあ、もう1個積める?>
「……(今回は、母もワタシも見ないですぐに積める。)」
その後も、積み木を6個くらい縦に積んで倒れる。
<きゃぁ~~~~♪倒れたね~。>
倒れたタイミングで、母もワタシも笑っているためか、ハラピも笑ってる。
積木が倒れた後は、積み直すわけでもなく、じっとしてる。
<どうする?もう1回積んでみる?>
『もう1回積木で遊ぶ?って聞いてるよ。』
「………。」
<そっか。じゃあ、次、違うのしよっか♪>
【 図版の課題 】
<じゃあ、次はこっちしよっか。>
ワタシは図版を出してハラピに見せる。図版には、4つ(電車,魚,お花,コップ)が描いてる。ハラピは積木のときと同じようなリアクションで、図版とワタシを見比べるようにしてみる。
<じゃあ、ここに……電車はどれかな?>
やっぱり、じっとワタシと母を見て、かたまってる。
『電車わかるやん。いつも電車来たら”あ!”って言ってるやん。いつも言ってる”タッター”やで。』
その後、4つ全て尋ねるも反応がない。
<そっか~。…あ!電車あるや~ん。ここ、ほら~。………あれ?電車どれやっけ?>
「……(恐る恐る、電車を指さす。)」
『あったねー。電車。』
<あったなー。よかった~。…じゃあ、お魚どれかな~?>
この後、何も反応なく、電車と同じやりとりになる。
<じゃあ、お花あるかな?>
『”ぴっぴ”やで。』
「……(ゆっくりお花を指さす。)」
<あったやん~。>
『うんうん。』
<じゃあ、コップはどこかな~?>
ハラピは自らコップを指させる。
『すごい。コップでわかるんや。』
「………ゴッゴッ。」
<すご~い♪お話もしてくれたやーん。…家ではなんか違う言い方なんですか?>
『ん~、コップっていうときもあるし、ゴクゴクっていうときもあるかな?』
<あー、だから”ゴッゴッ”なんですねー。>
発達検査のあれこれ。
もうすぐ2歳というところですね。
このタイミングでこのテーマを書いたのは、発達がゆっくりな子はこのへんの時期に様子を見ることが多いからです。
1歳6ヵ月健診以降、どうなったかな~的なことです。
「健診で遅いって指摘されたわ~。家では全然大丈夫なんやけど。」っていうこともよく耳にしました。
保護者の方々には、この時期の発達の遅れの指摘=全てのケースで今後も発達が遅れる…的な意味ではないことを知ってもらえたらと思います。
2歳6ヵ月頃に言葉が出てきて、その後は年中さん~年長さんにかけて追いついていくことが多いこともあります。
「後で言葉が出てきて、その後は問題なかった」ということもありますが、実は保育士さんや幼稚園の先生が保護者の方々に言わず、苦労して成長できるように配慮してることはかなり多いと思います。
なので、子どもの発達が徐々に追いついてくるにも、保護者の人の関わりとか園の先生たちの配慮もあることを知っておいてもらえるとうれしいです。
仮に、子どものタイプに対して、タイプが違う相性的に合わない先生とか、その集団にいるクラスメイトのメンバーの組み合わせによって、去年と今年で全然様子が変わることも普通に起こることです。
「去年は園に行きたくないとか言わなかったのに~。」みたいなことです。
実際に先生と相性が合わないこともあれば、周りのクラスメイトが成長が早くて、そこに乗り切れずに集団に行くのが嫌ということもあります。
そのあたりを考えると、「後で追いついてくるやろ~」と考えても別に問題ありませんが、どんな先生でもどんなクラスメイトとでも、子どもが切り返せるために、”子どもの力を幼いうちからできるだけ育てておく”という考え方は、ワタシのオススメです。
発達検査の話に戻ります………。
もうすぐ2歳の時期に、親の関わりに反応がなかったり、言葉が一言も出てなかったり、自分の思った遊び以外は受け入れてくれなくて、やりとりにならなかったりした場合は、今後発達が遅れるリスクがあります。
この時期にその状態だった場合、その後の予測はできますが、確実に言葉が出てくるとは言えないので、うまくいかず遅れ続ける可能性もあります。
なので、一旦発達検査で平均の域なのかを見るのではなくて、どんなことを吸収しやすくて、どんなやりとりからなら言葉を発してくれるのかの様子を見るために、一度保健師さんに相談することをオススメします。
上にあるハラピのやりとりみたいなことをして、苦手なところとか、どうしたら理解しやすくなるのかなどの話ができればいいなーと思います。
そこで、必要があるなら親子教室とかナントカ教室…みたいなやつに行ってみることをオススメします。
1歳代の発達って、人や言葉のやりとりの初期の段階です。ここの段階で集団を経験して力をできるだけ伸ばしておいて、後の成長に乗りやすくできたら…と思いながらやることが多い気がします。
上に書いたのは架空のケースと言えど、理解するまでに時間がかかるって子は結構います。家ではいつも同じ関わりや同じ生活パターンになりやすいので、「家では大丈夫」という状況が起こりやすいです。
今後、子どもたちは外でお友達と関わっていくので、基準を家ではなく外でのやりとりとか関わりとして見ておいたほうが、今後の子ども自身の困り感は少なくなるんじゃないかと思います。
一方的で申し訳ないですが、とにかく思ったことを書いてみました。
続きは、次回に。(近々、続きを出せると思います)
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うちは、奈良市の大和西大寺駅近くと、交野市の交野市駅近くで、遊びと勉強をしながら子どものイイところとニガテなところを伸ばそうという教室をやっています。
相手の気持ちを汲むこととか伝え方とか。他にも、そのタイミングなども意識しながら遊んでいます。勉強では、実際に勉強や宿題をしながら、どうしたら上手に字を書けるかとか、文章を上手に読めるかという勉強の仕方を見ています。たまに保護者の方に伝えて、普段の宿題のときに気にかけてもらったりもしています。
シンプルに、0歳~小学生くらいのお子さんの相談もやっています。
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