うちの子、すごいビビりで、大人からなかなか離れないんです。~2歳9か月の子の相談~
このブログは、毎月初めの水曜日…とは決まっていませんが、だいたいそれくらいに月1回更新しているブログです。過去に月1で更新してなかったので、いつもより少し早いペースで3歳くらいまで更新できたらなーって思ってます。
主に、タイトルの年齢くらいにあった発達相談の内容を思い出して、少しケースを混ぜて書いています。架空とは言えど、今まであった子どもたちの似たケースを1つにまとめているので、該当する子って多いんじゃないかと思います。
よければ見てってくださいー。
目次
- ○ ビビりで、外で人と会うときは全然行かない。他の子はぴやーって行くのに…。どうしたらビビり直せますか?
- ・2歳の子のビビりの理由はたくさん。でも、子どもの過敏さ,見通し力,理解力は意識して見ておくポイント。
- ・さて、ようやく本題。なぜ、子どもの動きを待つことが大切なのか?
ビビりで、外で人と会うときは全然行かない。他の子はぴやーって行くのに…。どうしたらビビり直せますか?
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「 」:子ども
『 』:保護者の方
< >:わたし(相談員)
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タイトルの内容で来所。
▼ 子どもの様子 ▼
初めてお目にかかったときには、すでに母親にくっついてる。廊下は手をつないで来たけど、ドアを開ける瞬間くらいから母親の足にしがみつく。
わたしが挨拶をしたときには、すでに母親のズボンをしっかりつかんでいる。母親は、そのまま前に来ようとするので、ちょっと歩きにくそう。
とりあえず椅子に座って話を聞こうとするも、すぐ隣のパイプ椅子に座ることもなく。もちろんテーブルの上にある紙と色鉛筆にはまったく触れようとはしない。
結局、母親の膝の上に座ったまま話が始まる。
話をしている最中に、わたしと子どもで目が合うも、すぐに目線をそらし、母親の体の隙間にうずくまって隠れる。
慣れ始めたのは、母親もわたしと笑って話し始めた頃で、その頃から徐々にわたしの様子も見れるようになる。その後、母親が重いからという理由でパイプ椅子に座ることになり、座ったまま母親とわたしの会話は継続。
紙と色鉛筆に興味は示すも、全然触ろうとしない。
子どもはアンパンマンを知ってるも、そのキャラの絵を描く程度では緊張はほぐれない。その後、慣れたのは、わたしが母親のひどい似顔絵を描き、<どう?似てる?一緒かな?>という質問に首を振って返答して、場がかなり和んできたあたりから<はい、じゃあ次は○○ちゃん。どうぞ。>と言って、色鉛筆を使って少しずつ慣れる。
一度慣れると少し緊張はするも、再度絵を描くなどできる。
▼ 保護者の方のお話 ▼
最初に足にしがみついていること、よくある。その度に、さっさと離れて自分で挨拶をしなさいとか、隣にいるだけで足をつかむ必要はないやんって思うことが多々ある。
外で人と会う度に同じ様子なため、母親としてもいいかげん疲れてきたと。最初は子どものペースに合わせて、背中を押すように応援してきたが、とうとう疲れたって感じ。
割と昔からそんなに場に飛び込んでいくタイプでもなかったし、今も昔と一緒だと思う。
もっと前はビビッて前に出ないというより、場をじーーーっと見る子だった。じーーーっと見て、声をかけてもあんまり届いてない感じで、ずっと何かを見てる。ちょっと幽霊でも見えてるの?って思うくらい。
動き回る、落ち着きがないことなどはなかった。むしろスローペースなほうだった。
いつになったら人とすぐに馴染んでくれるのか、どうしたらもっと早くに、このくっつくのがなくなるのかが気になる。
2歳の子のビビりの理由はたくさん。でも、子どもの過敏さ,見通し力,理解力は意識して見ておくポイント。
そもそも、ビビりの解消=”子どもの自発的な言動を待つこと”になります。これがまた、時間がかかる…。
ちなみに、なぜ言動を待つのかと言うと…。
その場合はまず、ビビッて場に全然行かない…ということが、なぜなのかをちょっと考えたいです。
つまり、ビビるにも、いろんな理由があるということです。
お母さんのお話を聞いている感じ、複数人の場では、聴覚・視覚・雰囲気的に情報量が多くてしんどくなっちゃう…みたいな過敏さは少し考えにくい=過敏さからビビりである可能性は低い。(×)
新しい場所に行くたびにビビる=見たことない場面で緊張することは、年齢を考えると当然。でも、緊張や警戒心が解けるのは時間がかかりすぎ。→この子の場合、何かの理由でビビり続けているということが考えられる。(〇)
話を聞いて、後で絵を描くときに、わたしが言ったことに返答はないものの、比較的すぐに絵を描き始めることを見ると、理解力が低いという可能性は低い。(×)
昔からじーーーっと場を見てから動き出すことが多かった。今はそんな様子は少ないが、頭の中で何かを考えて整理してから行動に移すタイプだったと予想できる。(〇)
子どもが慣れて場に馴染み始めるタイミングは、母親の緊張が解け始めるタイミングや大人同士が笑っているとき=この子なりに、何かの目処が立ったときと推測できる。(〇)
この〇のところを考えると、おそらくドキドキ感がめっちゃ強いなどの過敏さが影響しているというより、ここで何をするのかという現実的な不安だと予想できる。ちょっと慣れるまでは長いけど。。。
2歳の年齢では、まだ見通しも立たないし、立ったとしても前に体験したことがまた起こる…みたいなパターン的な見通しの立て方なので、先を予測できるほどではない。
だから、足から離れないということは、ある意味正常な年齢ではあるということと、それには過敏さや過去のトラウマ的経験(最近、外で知らない人に急に大きな声で怒られたなど)がない限り、見通しの未熟さが関連してるということを知っておいてほしいです。
さて、ようやく本題。なぜ、子どもの動きを待つことが大切なのか?
子育てしてきたおばあちゃん世代の人とか、子育て・教育熱心な人は、子どものことを待ってあげなさい!って言う人が多い気します。
でも、今回ここで言う”待つことが大切”っていうのは、漠然とではなく、この年齢の見通し力のパワーアップを見込んでのことです。
つまり、この時期の子どもって、すぐに見通し力ってパワーアップしないです。
何度も経験したり、事前に○○になるよーって予告したり、「あ、お母さん言ってたことって、こういうことか。」ってピンときたりすることを繰り返しまくって見通しがついてくるからです。
ただ、不注意傾向であんまり話を聞いてなかったり、聞くときには違うことが目に入って意識が移っていたり、マイワールドでこのへんが頭に残りきらない人って、上に書いたみたいな経験ってすごい積み重なりにくいです。
なので、それをなんとか理解して経験になるには、自分でハッ!と気づく必要があるんです。
小学生中学年以降だったら、イタイ目に合うと後悔から経験が積み重なったりしますが、2歳の子にはまだ無理なので、せめて自発的に考えるキッカケを作る…という意味で、自分で観察したことを考えてもらうために子どもの言動を待つってことです。
そんなん声をかけ続けていけば、子どももわかるじゃーん!って思う方もいるかもしれませんが、特に気が散りやすいとか、1個のことに集中しすぎてしまう人って、ホントに積み重なりません。
でも、それが親や先生が見てわかるのって、5歳になる年中さん頃に周りの子がしっかりしてくるタイミングで目立ち始めてきます。だから、この時期って芽はあるんですが、パッと見てもわからないんです。
このままだと話が長くなるので、簡単に言うと物事を見通すときにちゃんと意識してもらうってことが、どんな子でもパワーアップや成長には大事ってことです。
…書いてること、なんとなくイメージ湧きますか??
周りには「かしこい子」って言われますけど、うちの子、敏感ですっごい育てにくいんです。~2歳8ヵ月の子の相談~